4Pの次に来る基本ネタ、セグメンテーション・ターゲッティング・ポジション(STP)
前回紹介した4Pいかがでしたでしょうか?
これからデジタル・マーケティングに取り組んで行こうという方々には、これまでリアルな世界でマーケティングは経験しているという方と、まったく初めてという方もいらっしゃると思いますが、マーケティングを勉強~実践するなかで4Pの考え方は基本中の基本ですのでフレームワークとして使いこなせるようになりたいところです。
さて、4Pの次に来るマーケティングの基本ネタとしては、セグメンテーション・ターゲッティング・ポジション(STP)が挙げられます。
高度成長期を経てモノ余りと言われるような時代の変化が訪れるなかで、大企業のマーケティング戦略において市場の全体を狙うことは稀になっています。
ここで出てきたのが、市場をいくつかのセグメントに分けて、自社が有利に戦えそうな層を選択し、そのターゲットに向けてマーケティング活動を行う方向へのシフトです。
そもそも、会社設立に資本金の準備が必要だったことを始め、事業を拡大していくためのマーケティング活動も相当に資金がなければ困難という時代があった訳ですが、ITテクノロジーとインターネットの進化により、このような状況に一大変革が起きているのが現在ということです。
振り返れば、戦後復興期から高度成長期など、同じものを大量に生産して売れていた時代もありましたが、世の中がどんどん多様化しているなかで事業や商売を続けていくために、あるものにアレンジをしたり、新商品を出したり、飽きられない工夫をするのは商売の基本かと思います。こちらちょっと堅苦しいですが「市場適合」という単語を覚えていただくと良いでしょう。
黒塗りの自動車だけとか、1つの瓶だけ売っていれば商売が成立した時代から、現在では多種多様な製品を生産しないと顧客のニーズに対応が難しいのは理解していただけると思います。そしてこれが先ほどの「市場適合」につながると考えてもらうと理解しやすいのではと思います。
先ほど少し触れたように、多様化が進むなかでマス・マーケティングを行うよりも市場全体から見たときに分割されたものの一部分としての"セグメント"を別けてアプローチすることが大切と考えられるようになってきました。
製品やサービスが多様化すると、伝えるべき内容が違ってきます。さらに顧客はそれぞれに違う訳ですから、認知から更なる理解を深めてもらうため、伝えるメッセージも個々人の嗜好を考慮した内容のほうが話が通じるというのは理屈として理解しやすいのではないでしょうか。
ただこれ、理解はしやすいのですが、実際にやろうとするとアナログな世界ではコストと手間が相当に掛かってしまいます。
アナログ時代には手間とコストを考えると現実的ではなかったカスタマイズド・マーケティング。現代のデジタル・マーケティングの領域においてはこの図で表したセグメント、ニッチ、そしてOne to Oneといったマーケティング・アプローチに対してマーケティング・オートメーション・ツールが実現してくれる事が沢山あることは理解してもらえると思います。
顧客ニーズを的確に満たす可能性が高まると、顧客からの支持を得ることができ、更にプレミアム価格を設定することもできるということで、ビジネスを手掛ける多くの人たちがこの実現に向けデジタル・マーケティングに着目しています。
このように、ITテクノロジーがマーケティングの領域にどのような変革をもたらすのかに大きな期待が寄せられている現在、企業のマーケティング担当者として必要とされる、教科書的なマーケティングの勉強と、デジタル・マーケティングを併せて学ぶことは多くの面でメリットがあるのではないでしょうか。