Dreamforce 2015 マーケティング・プロダクツ 基調講演レポート
9月15日からサンフランシスコで開催されていたSalesforce社のイベントDreamforce。この中でマーケティングに関するプロダクトキーノートで紹介された内容を簡単にご紹介したいと思います。
SalesforceのIoTクラウドとマーケティングクラウドの連携は新たな可能性を提供するというテーマ。
具体的には、メールの受信トレイの空き領域にその顧客とのやり取りで重要だと推測される内容が自動で出てくるとか、どういう振る舞いのお客さんにどういう商品を提供するのが有効なのかを人間ではなく機械が示すとか、まさにトレンドの世界がそこにはありました。
この事はSalesforceに限ったことではなく、デジタルマーケティングの領域全体で、データサイエンスとIoT活用の機運が非常に高まっているという状況があるわけですが、そこをワンストップで提供できるのがSalesforceの最大の強みかと思います。
こちらのセッションでは、マクドナルド、プリコア、マテル、Room&Board、AT&Tといった企業のデジタルマーケティング活用の成功事例を紹介。
全体としてのメッセージをまとめると、
顧客と"関係"を築くためにはマス広告ではなく、オンラインでつながることが重要。すべてのタッチポイントで関係性を築き(BtoCではソーシャルのタッチポイントは特に重要)、ここに登場した会社規模では繋がっている経験をグローバルで行うことがポイントになる。
ということで、このような規模感のマーケティング施策を手作業で行う訳もなく、機械学習によるパーソナライズにますます期待が寄せられるわけです。
先ほどワンストップで提供できるのがSalesforceの最大の強みという話をしましたが、この写真を見ていただくとデータベースに個々人の情報と、これまでの問い合わせや購入履歴の情報が蓄積され、
それぞれの取引や履歴を機械学習させることで、似たようなセグメントもしくは行動属性の人に提案が可能になる、というのはご理解いただけるかと思います。
ちなみにこちらの画像はWebサイト訪問ユーザの購入済商品やこれまで見た商品などをビジュアル表示してくれるダッシュボード画面です。
メールキャンペーンを作成する画面にはリファレンス・アイテムがあり、このユーザへのお勧めアイテムを挿入するブロックが簡単に作成できます。
そしてそのメールはそれぞれのお勧め商品がパーソナライズ化されていて、スマホでも見やすい作りのHTMLメールになっています。
言うまでもなく、それらは同じ管理画面の中でレポートとしてリアルタイムに確認可能です。
更に、アンケートへの協力依頼をするなど、マーケティング担当者がカスタマーサービスまでできてしまうというデモをしてくれました。
このセッションで一番衝撃だったのは、機械学習でパーソナライズできるという話の中で
何も考えなくてもうまくいく
という発言があったことです。
ブランドと商品をもった企業にとって、IoTや各チャネルから得られる情報を機械学習させてデジタルマーケティングツールと連携させることによって、下手に人間がやるより商売がうまく機能する世界がもしかしたらあるのかも...と感じさせてくれたこのキーノート、やはり刺激的な時間でした。
今日はSalesforceという特定ブランドでのご紹介でしたが、この流れはデジタルマーケティングの世界で多くの会社が提供してくる機能になると思われます。
日本語の解析はまだハードルが高いようですが、日本語でもこういう世界が実現したらどうなるのか非常に楽しみです。